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 ようやく全5巻を読み終えました。 いや~長かった、けど読み応えがありました。

 会長室編のあらすじは
 御巣鷹山事故を起こした国民航空はマスコミや国民から鋭い非難を浴びる。
 政府も出資している特殊法人なので時の総理は会社再建に向けて社外から新会長を就任させた。
 当時の国民航空は、会社の行った懐柔策で組合は4つに分裂、主人公・恩地が委員長をしていた旧労組は弱小化され、会社側の言いなりになる新労組が大きな組織になっていた。
 昇給・昇格も新労組有利になっていて、空の安全第一を掲げる旧労組との組合間の対立は激しくなっていた。
 新会長・国見は母体である会社で労使一体政策を成功させた実績を買われての就任だったが、国民航空の組合問題は深刻であり、国見が掲げた労組統合は会社の利権を我が物にする新労組幹部とそのOBによって妨害される。
 遺族係をしていた恩地はその誠実さと芯の強さを国見に買われ、会長室部長として国見の改革の補佐、そして新労組幹部・OBの不正・放漫経営などを暴いていく。
 しかし政官界と癒着している抵抗勢力は国見を更迭に追い込み、恩地は再びケニア・ナイロビ勤務となってしまう。
 この一連の動きの陰で、抵抗勢力の使い走りをさせられていた職員がうつ病になり自殺してしまうが、この男は死の直前に自分がやらされていた内容をメモしたノートを東京地検特捜部に送っていた。 

 恩地がケニアへ出発する、時を同じくして特捜の捜査が始まる、というところで小説は終わりでした。
 主人公・恩地のモデルになった方はその後どういう人生を歩んだのか、特捜の捜査はどこまで腐敗を追及できたのか、すごく気になる終わり方でした。