失われた町

失われた町

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 30年周期で起こる町に住む住民の消滅。 それはどの町に起こるか間近にならなければ分らず、その町の住民は「町の意志」で消滅することを受け入れている。
 消滅時に町の外にいた住人は、それまでの記憶を失われ、故意に避難させれば「町の汚染」が広がり消滅地域が広がってしまう。

 家族、友人、恋人、大切な人を失っても残された人たちは悲しむこともできない。 町が悲しみを察知してその範囲を広げるから。
 
 それでも残された人たちは消滅を防ぐ手段を見つけ、次の消滅を防ぐという希望も持って生きてゆく。



 三崎亜記の小説は「となり町戦争」以来2作目です。 本作は人間の心理、特に表情に表れない隠れた心理が描写されてることが多く、SFでありながらヒューマン・ドラマでもある面白い作品です。
 そして登場する人物が、お互いは知らないけど何らかの形で繋がっている、よく練られた作品でした。