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2006年4月27日ブローチでブログ開始。 2014年3月26日ライブドアに移転。 音楽、読書、健康etc、いろいろ書いてます。

Tag:沈まぬ太陽

 航空会社の組織腐敗を描いた山崎豊子原作の「沈まぬ太陽」の映画化が決まりました。

 スポニチニュースによりますと主演は渡辺謙、監督は「ホワイトアウト」などを手掛けた若松節朗だそうです。
 渡辺謙は会社の不条理に苦悩する主人公のイメージに近い俳優のような気がします。

 この作品は過去にも映画化、民放局のドラマ化の企画が持ち上がるもいずれも実現できなかったという経緯があります。 
 というのも実在の人物や企業を連想させる可能性があり、航空業界からの撮影協力も得にくいため、映画化は困難といわれてきたそうです。
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 このブログでも過去に読後レビューを書きました。 その拙文は これ と これ と これ
 そして関連記事はこちら

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 ようやく全5巻を読み終えました。 いや~長かった、けど読み応えがありました。

 会長室編のあらすじは
 御巣鷹山事故を起こした国民航空はマスコミや国民から鋭い非難を浴びる。
 政府も出資している特殊法人なので時の総理は会社再建に向けて社外から新会長を就任させた。
 当時の国民航空は、会社の行った懐柔策で組合は4つに分裂、主人公・恩地が委員長をしていた旧労組は弱小化され、会社側の言いなりになる新労組が大きな組織になっていた。
 昇給・昇格も新労組有利になっていて、空の安全第一を掲げる旧労組との組合間の対立は激しくなっていた。
 新会長・国見は母体である会社で労使一体政策を成功させた実績を買われての就任だったが、国民航空の組合問題は深刻であり、国見が掲げた労組統合は会社の利権を我が物にする新労組幹部とそのOBによって妨害される。
 遺族係をしていた恩地はその誠実さと芯の強さを国見に買われ、会長室部長として国見の改革の補佐、そして新労組幹部・OBの不正・放漫経営などを暴いていく。
 しかし政官界と癒着している抵抗勢力は国見を更迭に追い込み、恩地は再びケニア・ナイロビ勤務となってしまう。
 この一連の動きの陰で、抵抗勢力の使い走りをさせられていた職員がうつ病になり自殺してしまうが、この男は死の直前に自分がやらされていた内容をメモしたノートを東京地検特捜部に送っていた。 

 恩地がケニアへ出発する、時を同じくして特捜の捜査が始まる、というところで小説は終わりでした。
 主人公・恩地のモデルになった方はその後どういう人生を歩んだのか、特捜の捜査はどこまで腐敗を追及できたのか、すごく気になる終わり方でした。


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 第3部御巣鷹山編を読み終えました。
 いや~、参りました。 読んでいて途中で何度も胸に熱いものが込み上げ、目頭に涙がにじみ中座してしまいました。 こんな小説は初めてです。

 ストーリー : 冒頭いきなり事故機と管制塔との無線連絡から始めリ、墜落、事故調査と進んでゆく。
 主人公の恩地元(おんち はじめ)は流刑にも等しい海外僻地勤務10年を終え本社へ戻っていたが、差別人事は続き課長待遇ではあるが実質的には窓際族。
 そして事故後は遺族係を命じられ、遺体確認の為現地に来る遺族の様々な御世話をする事になる。 さらに会社が提示する非常な補償交渉にもあたり苦悩の日々が続く。
 恩地は”空の安全”のために労働条件改善を経営陣に訴え、それが原因での10年の僻地勤務にも耐えてきたのに、変わらぬ会社の利益優先主義に落胆する・・・。

 事故現場の様子、原形を留めぬ遺体の描写、事故調査の過程、遺族の心情と崩壊寸前の遺族環境などが細かく表現されていて、ほんとに綿密な取材の上で書かれた本である事がわかります。   
 第4部を読み始めました。 ついに会社は新体制に変わります。


 

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 全5巻のうちのアフリカ編の2巻を読み終えました。 合間に美輪さんのエッセイや仕事関係の本を読んだりして、ようやくここまできました。

 この本は最近では使わない漢字や言い回しが時々出てきて少し難儀をしましたが、でも面白さは抜群、言うこと無しです。 とても描写が細かく、綿密な取材をしたうえで書かれたとゆうのが伝わってくる作品です。

 <あらすじ> 背景は昭和30年代半ば、半官半民の航空会社(間違いなくJALがモデル)に勤務する男が主人公。 入社以来エリートコースを歩いてきた主人公は不本意ながら組合の委員長を務めることになる。 彼は本社と他の部署との労働条件の不平等を無くすため幹部との交渉を繰し、ついに労働条件の改善を勝ち取る。
 2期2年の委員長を降り通常業務に専念し始めた彼を待っていたのは会社側の組合つぶしと左遷人事。 彼はパキスタンのカラチへ転勤させられ、さらにイランのテヘラン支店開設、そして自社機が就航していないケニアのナイロビと10年に及ぶ僻地勤務、島流しのような苦渋の生活を送る。
 
 最後は後輩の組合員の努力でようやく日本に帰任する事ができます。
 そして今日からは「御巣鷹山編」に突入です。 

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